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2016/05/29~2017/02/05にかけて、やまりゅさんとtwitterのDMでしてたなりちゃです。

DMからのコピーを簡略化できるツールがあれば欲しいところ。

あとこちらの都合で途中から週一ぐらいしか返信できず、期間の割りには長くないです。

 

 

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というわけで、ここはポケモンたちの住まう異世界の世界線。

今日もポケモンたちは、案外社会的な生活を営んでいる。

【ピカチュウ】(むくっ)「…ふぁー…今日も一日頑張ろうっ」起き上がる有名過ぎるポケモン代表の一人、ピカチュウ。昔はぽよぽよとしたマスコットだったが、アニメに抜擢されて以来肉体改造な運動を繰り返し、今ではすっかりスマートな印象。今日も朝の日課の運動をしようと扉を開けて外へ…。

 

【カイリュー】「おや、有名ピカチュウじゃないか」

のっそりと向かいから現れたのは、両手に一番大きなビニール袋と持ったカイリューだった。

彼は、先のピカチュウとは真逆だった。昔はぽよぽよしてたのは変わらないが、ひょんなことで別のカイリューに役を奪われれ、以来肉体改造な怠惰を繰り返し、今ではすっかり太り――もとい大太りな印象。

今日も朝の日課の買い出しをし、戻って来ていた。

【カイリュー】「またいつものあれか、朝っぱらから運動をしてるのかい?」と、ビニール袋から一つ、特大ソーセージを取り出し頬張った。

【ピカチュウ】「あ、おはよー」のびーっ、とする体。確かに少しこちらも柔らかさはある程度の肉体をしているのだが…「うん、今度はプロレスラーのコスチュームしたりするんだ。飛んだり跳ねたりするからもっと絞らないと」昔はもっと、ずんぐりとした球体上に近いボディだったのが、今やすっかりすらっ、としてしまっている。「カイリューは変わらないねー…」ソーセージを目で追う。美味しそうだな、とは思う、が、自制はする。何せ自分は今や看板と一緒についてくるマスコットの一人。一人だけ足並みをずらすわけにはいかないのだ。

 

【カイリュー】「まっ、変わらないのが一番良いと思ってるしな」

一本目のソーセージを食べ終え二本目に途中しながら続ける。

「しかしプロレスラーとな? なら、ある意味俺の方がプロレスラーっぽいだろ」と突き出た腹を叩く。こっちはもう柔らかさの塊のように肉体が小さなさざ波を起こした。

【ピカチュウ】「うーん、プロレスラーっていっても色々あってさ」ごそごそ、コスセットを取り出し「ルチャリブレっていって、飛んだり跳ねたりするんだよ。翼とかを使わないで。だから軽くないとダメなんだよねー」ぽんぽん、とそのおなかを撫でて「これじゃショーマンはできるけど、ルチャはむり」

 

【カイリュー】「良く分からんが、そういうもんか。随分と詳しいんだな」

さすが役作りに余念がないだけある。けどそんな彼の背景など気にもしないカイリューは、あることを思い出し言った。

「そーいやさ、新しく出来た肉料理屋に行こうって話、あれから随分と経っちまったが今日はどうだい?」

【ピカチュウ】「そういうものなんだよー」あっはっは、と笑っているけど「…う、そういえばそうだった」スケジュール過密で一生懸命やっていたがゆえ、すっかりすっぽかしであった。「今日はー…えーと…」 ぺらぺら。家の前のカレンダーを眺めて「…空いてるなあ。うーん、どうしようかな…」 悩ましい。

 

【カイリュー】「時間なら安心しとけって。開店当初は混んでただろうけど、最近は空いてるらしいし、忙しい有名ピカチュウでもいけるって」

彼の悩みをはき違えたカイリューが言った。その間に3本、4本目のソーセージを頬張った。

「それとも金欠か? なら俺が払ってやるぞ」と、かなり行きた気だ

【ピカチュウ】「(そういう意味じゃないんだけどなぁ)」うぬぬ。と悩み…しかし、断る理由はウェイトだけ。なぁに今まで頑張って来たんだ…と心に過り…「…じゃあ、そういうことなら」行こう。とあっさり誘いを受けてしまう。鍛えるには動物性たんぱく質がいいと聞いたし、消費すればなんとかなるはず、と

 

【カイリュー】「よし! なら早速いまからいくか?」と先を急ぐように催促する。よほど待ち焦がれていたのだろう。

だが彼自身、先程まで間食をずっとしており、それだけで充分のエネルギーは補給していた。だがこの太カイリューにとっては、それは微々たるものなのである。

 

【ピカチュウ】「うん、そうだね、今からいこっか…」とりあえず出かける用意を整えて。しっかりと着替えて、レッツゴーだ。

 

二人が向かったのは、初開店からそこそこ日にちが経ち、客入りも落ち着いて来た肉料理屋。その名のとおり肉オンリーと徹底ぶりなメニューに加え、朝っぱらからの入店で、店内はかなり人数が少なかった。

【カイリュー】「俺は『まずは』ステーキの特盛りだ! 有名ピカチュウはどうだ? 色々あっぞ」

 

【ピカチュウ】「ぇ」まずは、と彼はいったのか?と固まりつつ。「…じゃ、じゃあ僕はこの薄切り焼き肉盛りを…」無難に少な目を探した

 

【カイリュー】「なんだ、いきなりそんなしょぼいのか?いつも体動かしてるんならエネルギーが必要だし、最初からがっついてもいいんじゃないのか? ほら、俺みたいにさ」

最後は冗談のつもりだろうが、本人としては至って真面目に聞いていた。

「もしや量じゃなくて色んなの食べるつもりか? なるほどそういうことか」と勝手に一人で納得。

 

【ピカチュウ】「う、あ、うん、そう、色々食べようとおもって!」慌てて取り繕う。冗談じゃない。長い付き合いでよく知っている。このカイリューのペースに合わせて食ってたら到底数日じゃ消費できないお肉がついてしまう!なんとかすこーしずつで満足しなくては。…と思いつつも、次第に店内に漂う香りで食欲が刺激されつつあるのであった

 

早速カイリューのステーキと、それに比べると子供サイズなピカチュウの焼き肉盛りがやって来た。

【カイリュー】「ひゃーうめぇ!」っと寸時に口へ運ぶ。よほど楽しみにしていたのだろう。

「あと熟成肉も頼む。ピカチュウもどうだ、店のお薦めだぞ?」食事に関してだけは彼に負けない速さだった。

 

【ピカチュウ】「(すっごい多い!?)」でーんっ!とやってきたステーキにびっくりしつつ「う、うん、じゃあ…それも少しもらおうかな…」苦笑いしつつも、焼肉を口に運び「…あ、おいしい…………」とろん、とちょっと蕩けた眼に。元々食べること自体は好きなのだ

 

カイリューは熟成肉を追加注文した。そしてピカチュウの言葉を逃さなかった。

【カイリュー】「だろ、だろ? これなら毎日ここに来てもいいよな。いや、毎食ここでもいいかもな」と笑いながらステーキを頬張る。凄い量なのに見る見る減って行く。

「有名ピカチュウも、たまには休憩が必要だよな」

 

【ピカチュウ】「ま、毎日…いや、毎食はさすがにもたれるよう…」うかつなことを言った…と思ったが後の祭りである「まあ、そりゃあたまには休みたいとは思うけど…」 と、しゃべりつつも手はするすると動いて…「でもだからって毎食これだとかえって重労働…!?」 気づけば、頼んだものがさらっ、となくなっている自分にびっくり。「(あ、あれー・・ペース早かったかな…?)」つまり、追加注文する口実はバッチリになってしまった…。

 

【カイリュー】「ほらやっぱり休憩が必要、お前は電池切れで疲れてるんだって」

すると店員が、先程注文した熟成肉を持って来た。店員のきびきびさにさることながら、既に完食して目をみはるものがあるカイリューは「ほら有名ピカチュウ、さっさと注文しろよ、定員が待ってるぞ」と勝手に話を進めた。

 

【ピカチュウ】「う、うん…ええと、えーとねえ…」 どうしよう、と「じゃ、じゃあこれと…ここからこれを」 2,3品を同時に頼もうと。間を持たせたかった、が。テンパっていたのとせかされたので、相当な量があるそれを選んだことに気付いていない…。

 

カイリューはさくっと食べ終えたステーキの続章に入った。

【カイリュー】「なんか美味そうだな、お前が頼んだの。あとで俺にもくれよ。その代わりほら、来るまでの場繋ぎに一緒に熟成肉食おうぜ。最近話題だから食ってみたかったんだよなぁ~」

そしてペース変わらずそれをぱくり。満面の笑みだ。

 

【ピカチュウ】「あ、ああ…うん、まあそれくらいならいいよ」良かった、喰わせて嵩を減らせる。なんて思いながら、熟成肉をぱくん。「………ふぁぁ」美味しい。と決意がバターを火にかけたフライパンに入れたみたいにとけだしてしまっている…w

 

これは……チャンスか!?w

かどうかは不明だが、カイリューがその調理工程を手伝い始める。

【カイリュー】「ほら、うまいだろ、まだまだ来るんだから食え食え」と、勝手にピカチュウの皿に肉を置く。完全に自身のペースで配分してるため、相手の大きさなど微塵も考慮してないよそい方であった。

 

【ピカチュウ】「うん…うん…」もぐ。むしゃりもぐもぐ。美味しい。美味しい。忙しくなってから初めて食う旨味にすっかりトロ顔になっており、食欲に屈服ノックアウト寸前な表情だ。エロさすら漂う蕩けた表情は、いかに今まで節制して摂生を心がけて生きてきた心が弱まっているかの証…!

 

そこへ、ピカチュウが頼んだ例の料理達が……相変わらず手際が良い。

【カイリュー】「おおお! すげぇ、肉の山盛りじゃんか!」

彼が言うのだからそれはもう相当な量なのである。ピカチュウが慌てて頼んだものの凄さが、ここに来て証明されたわけだ。それにカイリューは目をきらきら輝かせていた。

 

【ピカチュウ】「え゛っ」予想の10倍ではすまない量に、固まる。「(ま、まさかこんなにあるなんて…)」しかし、食べ放題なルールに逆らうわけにはいかない。くわなきゃだめだ。手をつけるしかない。無言で手をつけ…「(ちくしょうすごくおいしい)」うっすら涙すら浮かべながら、味に打ちのめされるしかない。がっつがっつ。次から次に口にはいる。

 

カイリューだって負けてはいない。

【カイリュー】「ほう、有名ピカチュウもなかなかやるな! なら俺だって――」と、体格差を優位に立たせて肉を大きく食らう。さすがカイリュー界の巨デブ、そんじょそこらの大盛り特盛りではまだまだ音を上げない。

が、ピカチュウも思いの外それについていた。

 

【ピカチュウ】「(もぐむしゃまぐまぐまぐまぐ)」スレンダーぎみな腹が、だんだんと、膨らみだした。もともとは太くずんぐりしていたため、容積はあるのだ。口元をたれでべたべたにしながら…詰め込む。

 

【カイリュー】「(はぐ、むぐ、んぐ)んめぇ……」あまりの美味しさにカイリューも普段よりは静かになる。肉はまだまだ無くならない。

「いやぁ、ほんと、こりゃ最高だな……」

カイリューも、朝飯の前のつまみ食いでそこそこ脹れた胃袋にものを詰めたため、太めの腹が一層膨らみだしていた。

 

しかし、さすがに体格差はいかんともしがたい。もともと身長は1mなく、体重は10kgすらない種族…

【ピカチュウ】「…ぅ、ぷ」腹だけが倍近くつきだした辺りで青い顔をする。きっと今ピカチュウのおなかはたらふくの肉詰めになっていることだろう。これが怖い童話あたりなら【お前がご飯になるんだよ】とされておかしくないパンパンなおなかぶりだ

 

ピカチュウの頼んだ料理は、「普通のカイリュー」2人分なら丁度良かっただろう。だが1人の元々のサイズはそんなんだし、もう1人がそれを補えるだけの体躯はしていても、それまで胃袋に詰めた量が量である。さすがに、

【カイリュー】「げふぅ! さ、さすがに食い過ぎたか……」と空の皿を眺めた。

 

【ピカチュウ】「ぅぷ…ちょ、ちょっとトイレ…」よたよた。つきだした腹を揺らしながら、リバースの危機を乗りきろうと…

 

【カイリュー】「わ、わかった……はぁ、ふぅ」と、ピカチュウほどではないにしろ、かなり苦しそうにお腹を摩るカイリュー。

「とりあえず、先に会計済ましとくわ」と言いつつ、実際その行動に移れたのは少しあいだをあけてからだった。

 

【ピカチュウ】「ぅぷ…」つきだしすぎた腹は地面すれすれを擦る。ゆさっ ゆさっ と歩む度に左右に揺れてしまったり。幸いトイレでは口からではなくお尻から出た分だけでリバースの危機はなくなったが…。

 

ようやくお腹もある程度は落ち着いた、さすがそこ(?)はベテランのカイリューは会計を済ませ、ピカチュウがトイレから戻るのを待った。

【カイリュー】「有名ピカチュウ遅いな。まぁ、さすがの俺もまだ胃の調子があれだもんな。あいつにとっちゃあ――」

 

【ピカチュウ】「………」 げそっ、としている。腹は突き出したままだが、相当踏ん張ったのが伺える…「き、きもちわるい・・」ふらふら、よたよた。

 

さすがの様子にカイリューも、少し申し訳なさそうな面持ちになった。

【カイリュー】「なんか……悪かったな。つい俺も調子に乗り過ぎた」

2人は外へ出ると、カイリューが言った。

「さっき店員に聞いたんだが、近くに薬局があるんだと。そこで胃薬買って飲むか。もちろん代金は俺持ちで」と。

 

【ピカチュウ】「胃薬…うん、よろしく…」げぽ。と湿ったげっぷを漏らしながら、腹をかばうように抱えつつ歩く。今や体重は数倍に至る腹につまった食肉。それでも歩けるのはひとえにトレーニングのお陰だった。

 

2人が教えられた薬局に付くと、カイリューは店員に言った。

【カイリュー】「この店で一番効く胃薬が欲しいんだが」

すると店員は、ここいらでは有名な市販薬を持って来た。

「他にないのか? こう、普通のところには置いてないようなものとか」

すると店員は、見たこともない胃薬を持って来た。

【カイリュー】「それが一番効く薬なのか?」すると店員は「ええ、おそらくは。異国の地からたまたま輸入したものなんですが、噂によれば最強の胃薬なんだとか。まあ私は、そこまで酷くなるほど胃は痛めませんが」と。

カイリューは興味津々にそれを買うと、ピカチュウにも宣言通り分け与えた。

 

【ピカチュウ】「初めて見る薬だなぁ…」普通なら怪しむ、が。腹の苦しみがピカチュウの警戒心やらを働かせる前に、解放されたいと願って、あっさり薬を受け入れさせる

 

カイリューも、同じくその薬を飲んだ。なんやかんや強靱な胃を持つものは、時にその異変に敏感になるものだ。

【カイリュー】「……ほう、物凄く胃がすっきりするな。それに効果もすぐに現れる。速崩錠ってやつか」感心に頷く。

「有名ピカチュウの方はどうだ?」

 

【ピカチュウ】「…ふわ」びく。とその変化にびっくり。あれだけ張った腹が、すうっと楽になった。「これ凄い効き目だね!」たゆ、たゆ。どんどん引っ込むお腹…しかしなんだか柔らかそう

 

どうやらその違和感は、カイリューには無さそうだった。彼は至って普通にこの胃薬に感心していたが、何か気がかりそうな挙動をするピカチュウを見ていぶかった。

【カイリュー】「なんだ、何か問題でもあるのか?」と。

 

【ピカチュウ】「…なんかちょっと太くなったような…」ちょっと、じゃすまないのだが、まだ食べたばかり。いくら胃薬が強くても…まだ食べたものが腹を膨らませてるようにしかみえなかった。だがピカチュウ自身は食べたそれがあっさりなくなった感覚がある。見た目と感覚が合致しないのだ

 

【カイリュー】「そうか? 俺はなんともないが」

まあとりあえずそれに関しては、彼自身の性格柄で当然とも言える反応であって。

「ていうか、有名ピカチュウは元々そんぐらいの体型じゃなかったか?」とも言う始末だった。

 

【ピカチュウ】「…そうかなあ?」なんとなく、頭がうすぼんやりする。満腹だったからだろうか?少なくとも、今思考は明らかに鈍い。だが、なぜかそれを疑問には思えないのだった。

 

【カイリュー】「にしても、なんか少し腹が空いてこないか? まあさっきみたいには食えねーけど、小腹埋める程度に軽くカフェでもいこうぜ。どうせ今日は一日大丈夫なんだろ、有名ピカチュウの方は?」

 

【ピカチュウ】「え、いやまあ確かに大丈夫」ぐぅ~…「だけ…ど…」腹の虫。顔を赤くして恥ずかしがる←

 

【カイリュー】「がはは! なんだがっつり腹減ってるじゃねーか」と大笑い。

「その様子じゃ、軽食よりもう一度飯食った方が良さそうだな――そうだ、お前がなかなか誘いに来ない間、幾つか新しい店ができてるんだ。一つは、なんでも外国から来た巨大バーガーチェーンだと。早速そこへいこうぜ」と。

 

【ピカチュウ】「う、うん…」恥ずかしがりながら お腹さすりつつ。カイリューの誘いにのってそのままついていく。…こんなに早く空腹になるのはおかしい、と思いながらも、空腹が止まらないのだ。

 

というわけで、カイリューはピカチュウを連れて新店のバーガーショップにやってきた。海外風に全体的に大きく、心なしかそこを訪れるポケモン達もみな大きい(というより標準より太い)感じ。その中には勿論カイリューも含まれ、

【カイリュー】「やべ、匂いで腹がむっちゃ空いてきた」と気をはいた。

 

【ピカチュウ】「…」じゅる。無意識に、唾をすすり飲む。「………ふぁ」ぐうううう…腹もさらになる。「な、何があるかな…」メニューを閲覧する

 

【カイリュー】「とりあえずおれは、このキングバーガーセット、スーパーラージサイズで。飲み物は勿論コーラ」で注文。周囲の人達を見ると、一番頼んでるものと思われるそれは、はっきりいってサイズが尋常じゃない。そりゃ客が、カイリュー並みかそれ以上に大きなポケモン達御用達となるわけだ。

 

【ピカチュウ】「えっと」わりと混雑しているのも考えて「ぼ、僕も同じで」流されるように注文。背丈を考えたらあり得ないサイズだが、今は行ける気がした

 

さすがの店員も吃驚しつつ注文を通した。

【カイリュー】「あそこで待ってようぜ」と数少ない空きテーブルに着く。

「この番号札で店員が頼んだの持って来てくれるのか。態々行かなくていいのは楽だな」と言ってるそばから早速ハンバーガが届けられ――想像通り、周りと同じ特大のハンバーガだった。

 

【ピカチュウ】「システムが行き届いてるんだねー…あ」来た、と思った矢先、ぐ~~~ぅぅぅ…と腹の虫はまた鳴り響いた。「…は、早く食べよう」たらり、口の端から唾液まで垂らしちゃう。

 

【カイリュー】「よほど腹が減ってたんだな」とガハハと笑ったカイリュー。

「有名ピカチュウがそこまで言うんなら、早速食べるか。ううん、実に美味そうだ!」

やってきた特大のハンバーガを一周眺め、ばくりと頬張った。その顔には喜び以外何も現れないほど、美味しいのが明瞭だった。

 

【ピカチュウ】「(おぐっ)」 大きく一口ほおばる。・・・「おいひぃ…………・・」とろん、とちょっと目がアヘ顔気味なくらいにとろんとしちゃって、がつがつがぶがぶっ と一気に食べ始めてしまうのだ。

 

【カイリュー】「おいおい、少し前にがっつり食べた割りに随分と有名ピカチュウも腹が減ってんのな」がははと笑いながら、彼は悠々と半分、そして全てを食べ切った。そのお腹は、今朝よりも一回り、二回りは容易に大きくなっていた。勿論相棒もそれ以上ではあるが。

 

【ピカチュウ】「んぐんぐ…」ばくっもぐもぐもぐ…「げっふ…」こちらもまた、腹に納めてさらに腹を膨らますことになる。胃薬の効き目は抜群過ぎた。

 

【カイリュー】「いやぁ、にしても案外食えるもんだな、俺も、それに有名ピカチュウも」

ぽんぽんとお腹をさすりながら、あの胃薬の効果に気付かずにいて感心するカイリュー。しまいには、

「なんだか、他の店まで網羅したくなってきたな」とまで言う始末だった。

 

【ピカチュウ】「………」え、と頭では浮かんだが。腹が、減る。こんなに食ったのに。まるで自分じゃないみたい。だが「いいかも…?」食欲には、勝てなかったよ…

 

【カイリュー】「お、ならいくか? 確かあと何軒か、新しくできた店があるんだよな」

手を顎にあて、あれこれとカイリューは考えた。彼の考えることだから、どの店も通常量では済まないのは確実だ。特にピカチュウにとっては。

 

【ピカチュウ】「うん、いこう」ぐっ。と。もはや、自制心は緩やかに溶けていく。カビゴンのように立派だったのが、もはやちいさくなる、を何回も重ねがけしたようにちんまりとしたストッパーにしかならなかった。

 

ピカチュウがそういうのならと、ここ最近付き合いがなかったのもあってかカイリューは非常に乗り気だった。

二人はお互いが満たされるまで、とにかく食べまくった。もはやそのストッパーは消え失せていた。

 

今までの稼ぎは余裕でそんな暴飲暴食を許容出来た。さらにあの胃薬を煽れば、胃の苦しみはすぐに消える。さらに腹が減る。食う。飲む。消える。食う。

いくら食べても、気持ちよく満たされはしなかった。ピカチュウの身体はかつてのずんぐりとしたものを越えてさらに丸みを帯びていくが、鍛えていた基礎が動きを止めさせなかった。

 

ピカチュウには素質があったのかも知れない。秘めた食欲はカイリューを凌いでいた。

【カイリュー】「うっぷ……こ、こりゃあ一生に一度もんだな」と何倍も膨れた限界の腹を摩る。だが変化量で言えば、明らかにピカチュウが優っていたのだ。

 

【ピカチュウ】「ふぅぅ…ふぅぅ…」今や、そんなカイリューにすら迫る腹。腹だけではない。手足は風船みたいに膨らんでしまったし、腹が巨大すぎて足は投げ出す形だった。

 

【カイリュー】「おぅい、有名ピカチュウ。大丈夫かぁ?」

膨らんだお腹のせいで、「背丈」は小さいピカチュウを視認できないカイリューが尋ねた。彼もまた元々風船みたいにふくれていた全身が更に巨大化していたが、体高のおかげでギリ球体とまではいかなかった。

 

【ピカチュウ】「だ、だい、じょぶ、ふうう、ふううう…」ずりっ、ずりっ、とおなかを地面にこすりつけるように、押し出すようにしながらならなんとか動ける。ただしもう手は殆ど意味がない可動範囲だし、視界が完全におなかで遮られていた。そんな状態でも、爆走している食欲は、ぎゅうるるるるるるる…!とおなかを鳴らしている…。

さすがに周囲もこの状況には驚愕(店内で誰よりも二人は太っていた)が、二人はそれも当然見えてない。特にピカチュウは、元々の体型が小さかったせいか胃薬の影響をもろに受けていた。

【カイリュー】「がはは! やっぱ有名ピカチュウには敵わねぇな。おーうぃ店員さん、さっきと同じ物を追加で!」

さすがに周囲もこの状況には驚愕(店内で誰よりも二人は太っていた)が、二人はそれも当然見えてない。特にピカチュウは、元々の体型が小さかったせいか胃薬の影響をもろに受けていた。

【カイリュー】「がはは! やっぱ有名ピカチュウには敵わねぇな。おーうぃ店員さん、さっきと同じ物を追加で!」

 

【ピカチュウ】「よろしくお願いしまふ…」ごくん。もはや麻薬の常習者がごとく、胃薬を再び飲み。

腹はぶよんと柔らかくもむっちりと球体を保ち、ぐぎょるるると腹の虫を響かせる

 

今やカイリューを押すが如くの勢い。しばらくしても、カイリューは既に食事を止めてはいたが、ピカチュウは薬の重ねがけによりますますそのお腹を立派にし、もはやカイリュー並みにすらなろうとしていた。一般の種族間であの体格差があるにも関わらず。

 

カイリュー「げふ……はぁ、もうぜんっぜん食えねえ。けど、俺が行きたかったところは全部いったな」と、食事のはしごの終着点でうつろげになるカイリュー。だが一方で、ピカチュウは尚も食事を続けていた。それは普段の鍛錬の成果か、とにかく、一言で言うと凄まじかった。

 

バクムシャモグムグゴクンッグビッグビッ…

【ピカチュウ】「ん!」それは良かった、とばかりに頷けば、ぼゆん!と全身が揺れた。腹から口元は食べこぼしでべたべただ。さっきから一言もしゃべらず、腹に食い物を流し込む。もう、身長より腹がでかい。ピカチュウというより、カビゴンやグラードンやら、その辺りの巨漢ポケモンに迫る腹をしていた

 

そんなピカチュウの歴史を塗り替えた腹の震動は、カイリューにまで伝わっていた。カイリューは若干それを気に入ってもいた。

だがピカチュウはそんなこと露知らずに食べ続ける。もし彼がそのカビゴンやらであればきっと店員はてんやわんや。この食欲がピカチュウであることは、この店の幸いであった。

 

ピカチュウの腹はブクブクと膨れ上がり。【たくわえる】を連発したポケモンでもそうそうここまで膨らまないぞ。というほどに膨らんでいく。しまいにはカイリューの腹をぐいぐいと押し上げていき、背中にもブヨブヨブクブクと突いた脂肪で完全にピカチュウの体は大きく広がった楕円形の肉絨毯めいた構図へと変化していった…

 

カイリュー「ちょ、おま、すげぇな。さすが有名ピカチュウ……と言いたいところだが……」

げふっ、と軽くおくびを漏らし、

「そういやさ、有名ピカチュウ、思ったら大丈夫なのか? すげー腹してるみたいだが、仕事があるんじゃ?」と、自身が無理矢理誘っておきながら心配になりそう漏らした。

 

ピカチュウ「…………ぁ゛」その言葉に、はっ、と正気に戻…「…でもおなかすくから…」らない。むしゃむしゃと口に運ぶのが止まらない。身長以上の腹は、それを肯定するように、ぐぎゅううううう~~~~!とグラードンやらの雄叫びのように鳴るのだった

 

さすがのカイリューも少し申し訳なさそうな気を感じ始めていたが、ご覧のとおり後の祭り。

ピカチュウのお腹は破裂しない風船のように安定して着実に膨らみ、そしてカイリューのみならず他の客も巻き添えにしながら、そのお腹を膨らまし続けたのだ。

カイリュー(さすがに、これはやばいかも?(汗)

 

がつがつむしゃむしゃ。もぐもぐげぷうう。ぶくぶくぶくぶくでっぶううううん。もはやピカチュウ自身ですら収めることは叶わず…

 

それから暫くして・・・

 

カイリュー「いんや、こりゃ驚きだなぁ……」と、元店の様子を外から窺った。そこには黄色い何かが、ぶよぶよとした何かが漏れていた。なかなかに弾力がありそうで、それゆえか周囲に観光客が集まっていた。

そしてカイリューはこう思った。結局は、有名なんだなと。

 

【ピカチュウ】「………げぇぇっぷ!」時折、噴火みたいなげっぷが響いたりする。てっぺんにはすっかりぷっくぷくのぶっくぶくに膨らんだほっぺたに埋もれた顔があって、もうとっくに手足は完全に埋もれてむしろくぼみみたいになっているため、観光客たちがきゃっきゃっと楽しそうに餌付けのようにごはんを食べさせてくれるままに食べまくるのだ。中にはげっぷに遭遇したら幸運がツく、なんてジンクスまで生まれるほど。本人はただただ、あの【胃薬】で破壊的に加速した食欲におぼれているだけなのに、それこそが【有名ピカチュウ】たる所以といえよう

 

そんな様子を見てか、カイリューの方は自然と痩せていった。おかげで当初の俳優業的な仕事も戻りーので、彼的には棚ぼただった。

しかし初めは、どんどん食べ続けて膨れ続けるピカチュウを見て罪悪感もあった。けれど今となってはそんなことはない。まだ彼がまともに「話せる」状態の時、自身をお腹いっぱいで幸せだと言っていた。それから何度か尋ねたが、返答は同じ様なものだったし、確かに幸せそうだった。

今じゃ現在の真意を聞くことはできないが、とりあえず分かってることは一つ。別方面でも有名なままで居られるというピカチュウの強みだ。

 

今も、ピカチュウは膨らみ続けている。カビゴン何十匹、グラードン何十匹というサイズを超えて…。

 

カイリュー「また一発噴火が来そうだな――おっとやべ、仕事に遅れちまう」とカイリューは、その噴火を背に慌ててその場を去った。

 

 

 

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