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どうもお久しぶりです(そうでもない?)。

とうとう一人暮らしが始まり、それなりに部屋が形付いてきました。ただネット接続を無線にするのに2日もかかった自分って……(単純にco.jpのcoが抜けていたというオチ)

まだ汚い所はあるし、収納棚が足りない状態なのでまだ完全に一段落したわけではありませんが、あまり間をあけるのも良くないので、既に書いてあったものを中途ながら出してみます。


町 イカッネク Ykcutnek

M 僕   ナーガ     ギラン   Guillan 

M 私   ホエリアン   ディーブス Deebs

M 俺   オルカン    ローバル  Lobal

F 私   ホエリアン   テフス   Tefth

M おいら 川獺      パジィ   Pudgy

 

 


「なんだって?」

 ローバルは表情を変えた。なるほど、相手を信用しやすいから、こういった話もちゃんと聞いてくれるのは大いに助かる、とギラン。そして、

「じゃあ一緒に行ってみます?」

 こうして二人は、再びイカッネクの山を越えて反対側に出た。だが昨日に比べ、頂上に到達するまで一時間強もかかり、例の施設まで片道凡そ二時間弱もかかってしまった。全てはローバルの巨体が原因だったが、でもギランの想像よりは早かった。何せナーガとは違う重みのある尻尾まで引き摺っているのだから。

「はぁー……態々こんな辺鄙な場所に作るのも、隠蔽のためなのか?」息を切らしながらローバル。

 この距離だと単純に、施設を作れる場所がなかったためだと思うけど、ギランはその言葉を呑み込んだ。

 それから、防壁沿いを歩くと、あの検問所が現れた。そして川獺が、今日は一人だけいた。それは、最も太ったパジィという名の川獺だった。そろそろ息が整い始めたローバルは、彼に問いかけた。

「なぁ、ここが研究施設なのか?」

「え……」

 まさかここに部外者が来るとは思っていなかったのか、制服の姿から想像も出来ないほど、警備員らしくない硬直を見せた。

「まあいいや。中に入るぞ」

「だ、駄目ですよ!」とパジィが慌てた。

「いいじゃないか、ただの見学だろ」

「う、うーん……」

 悩んだ川獺。すると何かを思い出したかのように、こう言った。

「そうだ! 契約の内容にあるんですよ、ここを勝手に見学しちゃ駄目だって」

「ん、そうだったか? 確かに契約書にそんなことは書いてなかった気はするが?」

 この言葉に、パジィの他にギランも驚いた。パジィはこのオルカンが島長だと発覚し、ギランはざっくりした感じのローバルが、しっかりと書類に目を通していたことに対してだった。

 これに、パジィはどうにか答えた。

「なら、明日ならどうです?」

「明日?」とローバル。

「はい、明日の13時はどうでしょう? 少し準備をしてからの方が、その、良いと思うので……」

「ふぅむ、まあいっか。んじゃそれで頼む」

 そしてローバルは一旦この場を去った。そのあとをギランがするすると従ったが、ふと後ろを振り返ると、大量に汗を滴らせる川獺の姿があった。今日はあいにく涼しいのだが。

「ローバルさん、明日までというのには、何か裏があるかも知れませんよ」

「そうか? あの川獺、汗水垂らして頑張ってそうだったし、嘘には見えなかったが?」

 あーそうなのかとギラン。ローバルにして見れば川獺がどんなに太っても、太ってはいないから、それによる汗も全部努力の(=たまもの)と見解するのか……しかし明日まで待っていては、きっと何か仕組まれるかも知れない。セルバさんの資料で知った向こうの大陸での爆破事故によるのもあるし、最悪施設から逃亡することも考え得る。

「……でしたら、明日の午前とかは? そうですね、11時とか」

「むむ、だが向こうは昼飯だろ」

「でもここはローバルさん達の土地なんですし、少しぐらいは大丈夫ですよ。それに運が良ければ、向こうの昼食を食べれるかも知れませんよ」

 するとローバルは、興味をそそられた。

「そういや、あいつらの飯を一回も食ったことがなかったな」

「実は僕、すこーしだけ中を覗いたんですよ。そしたら、すんごく良い香りがしてました」

「ほほう! 島長の特権として、ならそれを頂こうか」

 良し、と心の中でギラン。やはり目先のことぐらいしか考えることは少ないようだ。大体あの防壁と検問所があってどうやって中に入ったのか疑問視すらしなかった。うん、純粋で色々と疑わないのは大変だが、それはそれでやり易い。

 

 

 翌日。朝食を食べ、8時半にはローバルと出発をした。彼は少し早いのではないかとギランにぼやいていたが、余裕を見積もるのが計画性。しかもそれが功を奏した。

 この日の早朝、海岸からの地引き網から帰還したグループが大漁旗を掲げており、島長であるローバルが率先して港料理をかっ食らったためで、結果動くのがやや遅くなり、それが蓄積され結果二時間半近く、予定時刻のギリギリに検問所に着くこととなった。

「んむむ、あの川獺いねーな」

「そうですねローバルさん……ちょっと遅かったのでしょうか?」

「まあいいさ。中に入っちまお」

「えっ、大丈夫ですか?」

「俺はここの島長だからな」

 そして二人は無人の検問所を抜け、防壁の先へと入っていった。

 

 

 

 

    続


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