著者 :fim-Delta
作成日 :2007/08/03
第一完成日:2007/08/04
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濛々と立ち昇る煙に、シリアスは必死に目を凝らした。ティタとエイディメイトの咄嗟の判断で、ゲートの外に逃げて衝撃を避けたのだ。
そして爆音が静まり返るのを待って再びゲートを開け、徐々に薄れる靄に目を凝らし、中の様子を窺った。
初めに、すぐそばであの反抗勢力者二名の、互いに手を繋いだ骸が確認出来た。次に、惑星アダプタの首脳、コンフォームの亡骸……
そして次に見えたもの、それは――
「船長!」
船長の体は、もはや火傷の次元すら超えた、焼け爛れの塊だった。全身は燻り、体中から煙が立ち昇っていた。
そんな凄惨な姿を見て、シリアスは遮二無二駆け寄った。その後を追って、ティタとエイディメイトも同様に船長に近付いた。
「船長……」
「……し、シリアス……」
「――ティタ! 君の治療で船長の体を――」
「無理よ……こんな、体全体が焼け爛れてしまっては、もうどうすることも……」
「ティタ! 諦めちゃ駄目だ! まだ生きている限り生き物は――」
「シリアス、良いんだ……諦めも、時には肝心なんだ……」
「……船長」
暫し互いに黙り込んだ後、シリアスはメルティッド船長に謝罪の言葉を述べた。
「船長……僕、間違ってました……」
「は、はは……何を、間違っていたんだ?」
「僕は船長のこと、ただの食い意地が張った奴だと思ってました。けど、船長は皆に愛される、とても素晴らしい人なんですね」
「今頃、気付いたのか……ちと、遅くは無いか?」
「……はは、そうですね……」
次の言葉が見つからなかった。早く言葉を言わなければならないと思って、頭の中が上から下への大騒ぎとなっていた。
おかげで言葉の箱がどんどん流され、中身を確認する暇も無く、それらが下へと運ばれて行ってしまった。
「……シリアス……」
「はい、船長」
「あ、後で、ティタとエイディメイトが、重要なことを話すだろう……それと、俺が言うことを、確と受け止めて欲しい……」
「分かりました、船長。僕、船長の言うことなら、何でも受け入れます」
自然と涙が零れ落ちていた。もはやシリアスの視界には、水面下に沈む船長しか映っていない。
しかもその船長は、徐々に深い海の底へと落ちて行ってるのだ。
「これを、受け取ってくれ……」
メルティッド船長は、日常坐臥身に着けていたイヤリングを、シリアスに差し出した。そしてこう言った。
「……シリアス、俺の後継ぎとなれ……」
予想外の船長の言葉に、シリアスは一瞬狼狽えた。だがシリアスはそれを即座に隠し、メルティッド船長からイヤリングを受け取った。
「……分かりました。僕が、船長の後を確りと受け継ぎます……」
「あ、ありがと――ごほっ、ごぼ!」
メルティッド船長の口から血が吐き出され、顔から徐々に精魂が抜け始めた。
『船長!』
いつの間にか周りに集まっていた<イボルバ>の船員達が、一斉に声を上げた。
それに答えようとメルティッド船長は、口元から血を滴らせながら必死で声を絞り出した。
「み、皆の者……確りと、シリアスに、付いて行くんだぞ……」
『はい!』
「し、シリアス……」
「はい、船長」
「み、皆を、た……たの、む……」
ゆっくりと瞼を閉じたメルティッド船長。それから、辺りにいた誰もが泣きに暮れた。特にシリアスは。
暫くして、宇宙警察隊と宇宙救急隊が到着し、核弾頭庫の中から遺体と怪我人達を連れて行き始めた。
そして<イボルバ>の船員達は、メルティッド船長の死を受け入れ、憔悴しきった面持ちで自分達の船へと戻って行った。
今ここに残っているのは、ティタとエイディメイト、そしてシリアスだけだ。
「……シリアス、もう行きましょう?」そうティタが言った。
「……」
だがシリアスは無言を呈した。シリアスは今までメルティッド船長を避けて来たことを懺悔し、それによって無駄にした船長との時間を、
今ここで補おうとしているのだ。シリアスは、船長の柔らかい体に抱き付き、無駄にした触れ合いの時間を取り戻そうとした。
しかし、神はその意図を無視し、船長の暖かい体から温もりを奪い、船長の感触を消さんとしていた。
シリアスは、船長をより強く抱き締めた。それは船長の感触の残滓を味わうと共に、自らの泣き声を抑えるためでもあり、
それは、シリアスの”シリアス”な一面のものではなく、船長として、情けない姿を誰にも晒したくないという思いからでもあった。
長い時間が経ち、シリアスもようやく、メルティッド船長の遺骸から身を引いた。
そして、彼が核弾頭庫を出ようとしたその時だった――
「……にゃ、にゃ……」
微かに聞こえた鳴き声。シリアスは哀傷に暮れていたせいか、今ようやくこの微小の声に気が付いたのだ。
「……どうしたの、シリアス?」
「鳴き声が、聞こえたんだ」
「……私には何も聞こえないけど……」
シリアスは、耳を澄まして鳴き声の発生場所を探った。……どうやら、メルティッド船長の後ろから、その声が発せられているらしい。
シリアスは船長の体を回り込んだ――するとそこには、船長が飼っていたドレッグスィータの一匹がいて、不動の仲間に声をかけていた。
「にゃ、にゃ……」
「――! このドレッグスィータ、まだ生きていたんだ!」
「……恐らく、船長が核爆発の威力を抑えたのと、本来ドレッグスィータに備わっている強靭な生命力が奏功したんだろう」
「……けど、他のドレッグスィータ達は……」
「……どうやら、生き残ったのはこの子だけのようね……」
「にゃ、にゃ……」
必死に仲間に反応を求めるドレッグスィータ。しかし、その子が仲間達それぞれに反応を求めても、返ってくるのは無音だけだった。
「……なあ、君」
「なー……」
シリアスの声に反応して振り向いたドレッグスィータ。その顔には、深い哀痛の表情が浮かんでいた。
「……にゅ、にゅ……」
「……悲しいんだね。仲間が死んじゃって、悲しいんだね……君の気持ち、僕にもよく分かるよ……」
「……シリアス……」
「……もう少し待とう。この子が満足するまで、仲間と一緒にいさせてあげよう」
「……分かったわ」
「……な、な」
「ん? どうしたんだい?」
生き残りのドレッグスィータは、仲間達の元へは行かず、未だシリアスを見つめながら鳴いた。
その鳴き声は、待つことに反対を示す鳴き声だった。
「な、な」
「……もう、仲間とは一緒にいられないんだよ? もう少し一緒にいたって良いんだよ?」
「な、な」
「……本当に、良いんだね?」
「にゃー」
「……分かった。それじゃあ、一緒に<イボルバ>へ戻ろう」
そう言ってシリアスは、孤独のドレッグスィータを抱き上げた。そして彼は、その子の頭を優しく撫でて慰めた。
「にょー」
「……君は……素晴らしいよ」
「にょ、にょ」
「え?」
「にょ、にょ、にょ」
「……何て言ってるんだろう……」
「シリアス、その子はね、あなたをマスターにしたいって言ってるのよ」
「マスター?」
「ドレッグスィータにはね、常にマスターが必要なのよ。そしてそのマスターからのお零れを食んで生きる、それがドレッグスィータ。
だけど今、メルティッド船長が亡くなってしまい、その子にはマスターがいなくなってしまったのよ」
「……それじゃあつまり、この子は僕に、マスターになって欲しいって言ってるってこと?」
「そう。……それにきっと、この子はあなたと一緒にいたいのよ。純粋な心を持つあなたに、自分から名乗り出たのよ」
「……君、僕と一緒にいたいのかい?」
「にゃー」
肯定の鳴き声に、シリアスの顔は自然と綻んだ。そしてその表情のまま、彼はドレッグスィータに向かって言った。
「勿論、それはオッケーだよ」
「にょー、にょー」
「はは、そんなに嬉しいのかい?」
「にょー!」
シリアスは、再びこのドレッグスィータの頭を撫でた。ドレッグスィータは嬉しそうに、自らの頭をシリアスの手に擦り付けた。
そしてシリアス達は、メルティッド船長の偉容な骸が横たわる核弾頭庫を後にし、自分達の宇宙船、<イボルバ>に向かって歩き始めた。
初めは三人――それと一匹――とも黙ったままで、沈黙のみが辺りを流れ続けていた。だがやがて、ティタがそれを断ち切った。
「……シリアス、船長?」
「……ん? あ、ああ、なんだい?」
互いに不慣れな「船長」という呼び方に、ティタとシリアスは互いに言葉を詰まらせた。
「……メルティッド船長が亡くなった今、あなたには、船長となるために一つの試練に耐えなくてはならないわ」
「し、試練?」
「えぇ……シリアス、船長。それにはまず、<イボルバ>の歴史、それとメルティッド船長のことについて話さなくてはならないわ」
「船長のこと?」
「あなた、メルティッド船長のこと、少しも不思議に思ったことはない?」
「え? ……まあ、太り過ぎだなぁ、とか、何であんなにも食に執着しているのか、とは思ったことあるけど……」
「……実は、その通りなの。普通ではありえないし、それに前に敵から銃撃を受けたとき、メルティッド船長が無傷なのもおかしいわ」
「だけど、それは船長の体に付き過ぎた脂肪のせいじゃ? 実際跳ね返してたし――」
「そんな漫画見たいにはいかないわよ。いくら体が脂肪で覆われてても、銃弾を跳ね返すことは、当たり前のようにありえないことなの」
「じゃあ、何で船長は大丈夫だったんだい?」
「それはね……あなたの持っている、そのイヤリングに関係があるの」
「こ、これ?」
「このイヤリングはね、普通のイヤリングじゃないの。だからこれを付ける当たって、これについて知らなくちゃいけないの。
だけどまず、<イボルバ>の船長として、あなたに<イボルバ>の全てを知ってもらうわ。
まず、<イボルバ>が成長した過程についてよ。<イボルバ>は、聡明で博学多才なメルティッド船長に造船されたの。
その造船に関わった人達が、今の<イボルバ>の船員達ね。最初はとても小さな船だったけど、彼の活躍で徐々に名声を得て、
それに伴い資金の方も増えていって、宇宙船を徐々に増築していったの。だけどその頃になると、彼は貪婪になっていたわ。
確かに知識もあるし、戦術だって優れてる――けど求めるものは金と力。彼のヒューモリアンとしてのユーモアさは、一切失せていたわ。
そんな時、彼は<グリーディー・イヤリング>という話を小耳に挟んだ。そのイヤリングは、身に付けている者に多大な生命力を与え、
また無限の知識庫を与えるの。勿論彼はそれを必死で探したわ。時折盗賊達との戦もあったけど、彼には到底敵わなかった……
そしてついに、彼は<グリーディー・イヤリング>を手にした。けどその直後、辺りに濃霧が現れて、そこに一つの光点が出現したの。
それは言ったわ。「<グリーディー・イヤリング>を身に付ける者よ。お前が力の代償として捨てる制欲は何だ?」と。
実は、彼は重要な部分を聞き損じていたの。それは、イヤリングを付けるには、何か一つ制欲を捨てなくてはならないということ……
彼は即座に考えた。そしてまず、睡眠欲という項目を胸中で除外した。睡眠の制欲を無くせば、一日中寝たきりの生活になるだろう。
それじゃあ意味が無い。なら残るは、性欲と食欲。性欲は、思いの他悩んだ項目の一つだった――けど、これも捨てた。
もし性に対する制欲を無くせば、異性の生物を見た瞬間、敵味方問わずに襲い掛かってしまうだろうと、彼は判断したの。
それで残ったのが――食欲よ。彼は、食に対する制欲を捨てても、食べ物に固着するに留まり、最も行動に差し支えがないと推したの。
そしてついに、彼は光点に向かってこう答えたわ。「俺は、食の制欲を捨てる」と……
それから、彼は変わったわ。霧が収まるや否や、彼の腹からは虫の声が鳴り響いた。彼は空腹に耐えながら何とか<イボルバ>へと戻り、
その直後、彼はまるで餓鬼にでも憑依されたかのように、食べ物を貪り始めたの。その光景に、皆憂慮の思いで見守ったわ。
やがて満腹になった彼のお腹は、もう破裂寸前。まるで妊婦のようにお腹が出ていたわ。……だけど、それだけでは終わらなかったの……
一分もしないうちに、彼は再び空腹を覚え、無理にでも食べ物を詰め込もうとしたの。とても、辛そうな表情だったわ……
そして案の定、彼は食べ物を戻しちゃったの。しかもそのせいで、彼はまたさらに空腹を覚えて、落ち着いた腹に再び無理を強いたの。
そんな食べたり戻したりの繰り返しに、私達はとうとう、<イボルバ>に休航期間を与えることにしたの。
……<イボルバ>に関心があるあなたなら、知ってるわよね? ”<イボルバ>の休航期間”の話」
ティタの長話に区切りが入れられたこの時、三人は既に<イボルバ>の艦内に入っていた。
「ああ、知ってるよ。周りのみんなは、働き過ぎたんだな、って言ってた。勿論、僕もそう思ったよ。……だけど、違かったんだね」
「ええ。あの状況じゃあメルティッド船長は仕事なんて出来ないし、それに何より、彼が可哀想だった……。
どんなに彼の目先が金と力になろうとも、この<イボルバ>を造船した偉大な人物であることに変わりはないわ。
だから私達は、彼のことを尊敬していたし、愛してもいた。私達は、メルティッド船長に対して出来る限りのことを尽くそうとしたの。
そのことを聞いた彼は、目に涙を湛えていたわ。動きは何かを貪ったり戻したりだったけれど、
その時の彼の心の中は、私達がこんなにも自分のことを思ってくれているんだなと、改めて実感していたそうよ。
金と力に目が行った不甲斐無い自分、今では何も出来なくなった自分に、私達が何の嫌忌も表さず、
自分のことを未だに船長と見なし、進んで自分に尽くしてくれたことに、彼は大きく感慨したの。
それから一年間、私達は自分達のロングバケーションを大いに楽しんだわ。けど、メルティッド船長のことだけは頭から離れなかった……
やがて、一年の月日が流れて、私達は再び<イボルバ>に戻ったわ。……そして、変わり果てた船長とも再会した。
彼は、昔の面影を一切残さないほどぶくぶくに肥え太っていて、大量に食べ物を詰めた袋を抱え、その中身を頬張り続けていたの。
ただ唯一、蛙のような膨れ顔にも彼独特の<体紋>があって、すぐに彼が船長だと分かったわ。
初めはみんな、色々と心配したわ。船長は、本当に大丈夫なのかと……。だけどそれも、ただの取り越し苦労に過ぎないことが分かった。
むしろ逆に、私達は今まで以上に意気込むことが出来たわ。どうやら彼は心を入れ替えたようで、金と力に執着しなくなったどころか、
周りの人達を自らの独特なユーモアで笑わしてくれる、昔のヒューモリアンとしての船長に戻ってくれたの。
ただ違うのは、彼は食に対する制欲を無くしているため、一日中何かを食べ続けなければならないってことだけ。
だけどそんな艱難も、彼は自らの遊楽に変えていた。食べることに楽しみを覚えさせ、そして日に日に肥える体を自虐ネタとして使い、
彼は周りの者達を笑わせたりしてくれたわ。おかげで、毎日があの懐かしい至楽の時になったのよ。
それから暫くして、彼は太り過ぎによる体の擦れ合い防ぐため、ドレッグスィータを飼い始めたの。それが、あなたの知ってる船長ね」
「……だから、だから船長は……」
「そう。彼はあんな体をしていたけど、それは決して欲に落ちていたわけではないの。必然的だったのよ」
「そして、そのおかげで船長は、このイヤリングを身に付けることが出来、そして偉大な力を得ることが出来た訳ですね」
「その通り。だから彼はあんな体でも動くことが出来たし、銃弾や巨大な爆発にも耐えうることが出来たのよ」
「……だけど、核には勝てなかった……」
「……ええ。いくら偉大な力とは言っても、核の威力には勝てなかったのよ」
「でも、凄いや船長。核には勝てなくても、核の力は抑えたんだ。しかも自らの意思で……これほど勇敢な船長、もういないだろうな」
「もういないかも知れない……けど、そんな彼の後を継ぐのはあなたよ」
「……僕が、あのメルティッド船長の後継ぎ……」
「そう。今日からあなたは、この<イボルバ>の船長なのよ。これからはメルティッド船長のように、私達を導いていって頂戴」
「……ああ、分かったよ。僕はメルティッド船長のように――いや、メルティッド船長を越える船長になってみせる!」
「にゃー! にゃー!」
シリアスが抱えているドレッグスィータが、彼に向かって励ましの鳴き声を上げた。
それを聞いた彼は、そのドレッグスィータを見つめながら、その子の頭を優しく撫でて喉元を擽ってあげた。
「お願いね、シリアス船長。それはきっと、メルティッド船長も望んでいたことだもの」
シリアスは顔を上げてティタの方を向いた。
「勿論さ。……それじゃあ僕も、このイヤリングを身に付けないといけないな訳だな。メルティッド船長の後継ぎとして……」
「そうね。だけどそれを身に付けたら、一生あなたの食の制欲が無くなるわ。今すぐにでなくとも、覚悟出来たらでいいのよ?」
「いや、すぐにでも付けるよ。……正直、なんであの船長が僕と一緒に食事をしようなんて言ったのか分かる気がする。
もしかして、船長はこうなることを予想していたのかも知れない。だから船長は少食の僕を食事に誘い、あらかじめ僕の体を、
少しでも食の暴走に耐えうるものにしてくれていたんだろう。僕がこんな風に太ったのも、実は船長の意図だったのかも知れないな……」
「いいえ。”かも”、じゃないわ。メルティッド船長は元々、あなたを船長の後継者に選んでいたのよ」
「そ、そうなの? でもどうして――」
「それは、あなたが新たなる後継者を見つけた時にでも分かるわよ」
「なるほど、ね……ま、いいさ。なら、その時まで待つとするよ」
「そうしなさい、シリアス船長」
ティタが、この日初めての忍び笑いを漏らした。ようやく、いつもの日常に戻れた気がした。
シリアスは操縦室に着くと、メルティッド船長が座っていた主席の前に立ち、そこで自らの名前を高らかに掲げた。
そして、ここに今、新たな船長が誕生したことを船員全員に告げた。それと同時に、船員達からは盛大な拍手が送られた。
その中で、シリアスは船長の証であるイヤリングを、静かに身に付けた。
その時から、彼はあの伝説の船長、メルティッド船長が作り出した軌跡に足を踏み入れ、新たに<イボルバ>の奇跡を刻み始めた。
宇宙船<イボルバ>のキセキ 最終章 完