一応ラストシーンとかはもう浮かんでメモってるんですが、なかなか書く時間がなかったりとかしてかけなかったので、空いた今は投稿ラッシュモードになりました。
因みに読み直しはからっきしせず、ざっと読み直す程度にしかしてません。やはり勢いで書いた方が、時間的にもあれですし、書いてる方も楽しいまんまで続きを書けますからね。
というわけで、関係ないんですが、とうとう自分も地デジ対応商品買いました。SONY製のテレビとレコーダー。そしてそのポイントで、うまれて初めての高価な携帯オーディオのX1050を買いました。
あまり同じ会社にしてリンクとかなんたらかんたらは意識してなかったのですが、レコーダーからX1050への転送機能は素晴らしかったです。X1050は音楽の他、ワンセグやインターネットとか動画も出来て、その動画はレコーダーから転送できるんですが、高速転送モードで録画(画質とか下がらない。多分普通に録画しながら、転送用のデータを同時作成している?)した2時間の映画を移す時は8分ほどで終わって、時代の最先端を感じました。おかげで朝起きてデータを移して、移動中の電車内とかで見れるので時間が潰せていいです。
それとレコーダーはX50買ったんですが、X30でも転送できるとか一部ネットで見たけど、会社HP見ると全然そんな機能書いてなかった——危うく安いX30を買うところでしたよ(それでも8万とかするのは、やはりブルーレイレコーダーの値段ですかね)。なのでどうやら転送が出来るのはX50からのようで……
まあそんなこんなで、家庭用ゲームがPS2で終わっていた自分が、久々に最新技術に触れたというお話でした m(_ _)m
グレース・タウン Grace Town
ノガード Nogard
男 竜 筋肉質 俺
フロウ Flow
男 狼 痩せ→痩せ気味 俺
タール Tar
女 鼠 ふっくら 私
ドレイジル Drazil
男 蜥蜴 痩せ→痩せ気味 自分
ニプロッド Nihplod
女 海豚 痩せ→痩せ気味→ あたし
タブ Tab
男 蝙蝠 痩せ→痩せ気味 俺
イザーラ Izara
男の子 蜥蜴+鼠 ふっくら 僕
ルエイソレット Ruasoretp
男 翼竜 俺 筋肉質 → 超肥満
ノガードたちの本拠地である家の広いロビーでは、激しいヘビーメタルの音が流れている——ノガードに合わせ、ドラゴンという名詞が入った有名なバンドだ。スルー・ザ・ファイア・アンド・フレイムズから始まり、彼らの熱く激しい曲を組み合わせたオリジナルサウンドトラックを、無限ループでここに流し続けている。
更に雰囲気を出すため、部屋は暗くし、天井につけたミラーボールだけがこの部屋に満遍なく豊かな色の光を流している。
そんなロビーでは、一目ノガードの姿を見ようと、多くの人たちがやって来ており、このパーティーを多いに盛り上げていた。新しいこのグレース・タウンのトップ。少ない部下達だけで東部、西部、北部、南部、そしてルエイソレットがいる中部も攻略した彼の力は、既にこの町中に浸透していた。
そして今、パーティーは最後の食事会へと変わり、普段ひもじい思いをして来た外部の者達も、惜しみない料理をここぞとばかり堪能している。勿論それは、ノガードも同じだった。あまり顔には感情を出さない彼も、この時ばかしは楽しそうに食事を満喫していた。
「あっ、ボス!」
タブは、玄関方面から奥の方へと向かうノガードを見て声をかけた。
「どうしたんです、そんなに段ボールを抱えて?」
「ん? ああ、お前はそこにいたのか」
「あはは、すみません。俺の体は隠れるのに最適ですから」
蝙蝠の彼は、暗いこのロビーではやや目立ちにくく、ノガードは一瞬彼の存在を捉えられなかったのだ。
「この段ボールは、下の奴らに送る飯だ」
「えっ? 牢屋の奴らにも、こんな豪勢な食事をあげるんですか?」
「あいつらも、いつかは役に立つかも知れないからな——それにしても、フロウはどこへ行った?」
「ああ、あいつなら、飲み過ぎて外で吐いてましたよ。多分今ごろ、どこかで酔い潰れてるんじゃないでしょうか?」
ノガードはふんと笑い、そしてそのまま奥にある地下への階段を降りて行った。
地下に着くと、そこには一番初めに倒した西部ボスの虎と、このグレース・タウンでまだノガードの名が通ってなかった時に反逆して来た者達、そして、あのルエイソレットが牢屋に閉じ込められていた。
まずノガードは、一番手前にいたルエイソレットの牢屋の扉を開けた。
「の、ノガード!」
「安心しろ、何もしないさ」
するとノガードは、どすんと、でかい段ボール丸々一つを、牢屋内に置いた。
「飯だ。食っておけ」
「……何か企んでるのか?」
「ふん、お前を今ごろ殺したって、なんの特にもならんさ」
「じゃあ、何故……」
「その体じゃあ、たっぷりと飯を食わないとな。飢え死にされちゃあ困る」
「お前の操り人形になるぐらいだったら、餓死した方がマシだ」
「ほう、これを見て、そう言えるかな?」とノガードは、段ボールの蓋をあけると、中身をルエイソレットに見せた。
そこには、上質で脂の乗った肉——これは外部と唯一繋がる宅配システムを利用して、金を払って購入した最高級の肉が、びっしりと入っており。その脇には甘いコーラの飲み物が一ガロン、およそ3.8リットルほども用意されていた。総計で10キロはありそうな食事だ。
それを見たルエイソレットは、ここに来てからノガード達と同じ分しか食事を取れず、満足していなかったため、思わず涎を滴らせてしまった。
「好きに食え。今日はパーティーだからな」
「な……そ、そんな手には乗らないぞ」
「それはどうかな……俺は、分かってるぞ」
そう言い残すと、ノガードは後ろ手に、牢屋の扉をしめた。そしてそのまま去ろうとする彼を、慌ててルエイソレットは引きとめた。
「なんだ?」
「ノガード……あの時、俺の部屋にいたときだ。あのあと何が起こったかは分からない。だがお前は、勝つことを分かっていたんだろう? だから死に際でも怯えなかったんだろ?」
ノガードは頷き、答えた。
「ああそうだ。だが少し訂正するところがある。俺の本来の目的は、とにかく俺を縛る体内の爆弾をどうにかすることだった。だがお前が自分の部屋に運んでくれたおかげで、態々そこまで行かずに、お前を打ちのめせたってことだ」
そしてノガードは、隣の牢屋へと移った。しかしそこからはルエイソレットとは違い、段ボールの中から、残りの牢屋の奴らに平等に分配していた。つまりルエイソレットにだけは、なぜかたっぷりと食事を用意してやっていたのだ。
ルエイソレットは、何かの罠かと思ったり、色々と考えをめぐらした。だがその度に、目の前にある肉と、そして甘い飲み物に集中を途切れさせられていた。
やがて彼は、ノガードが階段を上って去ったのを見守ると、ボスとは言いがたい、座った状態からごろんと横になり、這いずるように段ボール箱へ向かうと、むしゃむしゃと肉を頬張り、そしてそれをコーラで仰ぎ、盛大なげっぷをもらすと、再び肉に食らい付いた。
再び地下から戻ると、その先にはニプロッドが、骨付き肉を男のように豪快に引きちぎっていた。少し酔いが回っているのか、彼女は色めかしくというか、やや誘うような歩き方でノガードに歩み寄った。
「あら、ボス。地下の奴らに料理を渡してたんですか?」
「ああそうだ」
「それなら、あたしに言ってくれたらやったのに……このパーティーの主役はボスなんですから、純粋に楽しみましょうよ」
「ふっ……そうだな。おっと、そういえばタールやドレイジルはどうした?」
「ああ、二人ならもう子供と一緒にベッドに入りましたよ。でも酔った勢いで、子供の目の前で『やらなければ』いいですけどね」
「ははは! 二人目を作られちゃ、また子守が大変になるからな」
そういいながらノガードは、艶やかな海豚の肩に腕を回すと、彼女とともに、このパーティーを楽しんだ。肉を食らい、チーズやベーコンを摘みながら、それを水で飲み下す。今日ばかしはノガードも、大いに食事を満喫していた。
やがて、パーティーが終わると、最後に中央の壇上で、ノガードが締めの言葉を述べた。そして自らが、このグレース・タウンのボスであることを高らかに明言すると、この町の者達は全員歓声をあげた。
そして拍手喝采の中、彼が壇上を降りると、全員ぞろぞろと、このロビーをあとにしていった。
「それにしてもボス。今日は随分と、楽しんでくださったんですね」とニプロッド。
「そう見えるか?」
「ええ。特にここら辺が」
するとニプロッドが、突如ノガードのお腹をつんつんと突っついて来た。溜まらずノガードはびくりとした。やっぱりまだ酔いが残っているのか、ボスに対しての行動にやや躊躇いがない。
「ボスの逞しい体も好きだけど、こういうぽっこりした所も、あたしは嫌いじゃないです」
ノガードは、自分の下腹部を見下ろした。すると、気がつかなかったが、その部分が見事にぽっこりと出ていたのだ。元々筋肉質なので、腕や脚と同じように、その部分にもしっかりと筋肉の溝が出来ていたが、まるで内部から押されているようにそのお腹だけは膨らんでいたのだ。まるで幼児体型のお腹みたいだった。
「ほんとだな。知らずに随分と食っちまったようだ」
「そうですね。でも、ちょっと食事を用意し過ぎちゃったかしら」彼女はそう言って、人がいなくなったパーティー会場を見つめた。そこには既に、誰も人はおらず(タールとドレイジルは前述の通り、フロウもまだ何処かで寝ているようで、タブも既に部屋に戻っていた)、そこには、まだ結構な量の食事が残っているだけだった。
「そうだな。この町全域から寄せ集めたりしたからな。倉庫にあるもんはまだいいが、調理済みこれらは、今日中に食わないと腐るな」
「じゃあ、捨てましょうか」
「そんなことをしたらもったいないだろ。お前、まだ食えるか?」
「え? え、ええ、大丈夫ですよ。でもあたしも結構お腹いっぱいですし、さすがに一人では——」
「一人で食えとは言っていない。俺も食うし、それにあと一人、手助けしてくれる奴がいるからな」
「そうなんですか? それなら、なんとか食べようと思います。それと、後片付けはどうしますか?」
「明日でいいだろ。今日は折角楽しんだんだ、締めが部屋の片付けだなんて、そんなのつまらんだろ?」
「そうですね。分かりました。それじゃああたしは、どれを食べればいいですか?」
「そこの皿に残った肉片は食えるか?」
「ええ、これぐらいなら、なんとか食べれます。でもそれだけだと、まだかなりの量が残ってしまいますよ?」
確かに、彼女が一皿を食べたところで、まだ四皿も料理が残っている。しかもすべてが肉で、ある程度は食べられているにしろ、合計で十人前はある。仮にそれを二人で分けるにしても、一人分で五人前を食べなくてはならない。
そもそも、どうしてノガードが食べ物を捨てることを拒んだのか——それに彼は今夜のパーティーで、一切酒を口にしなかった。飲めないのか、飲まなかったのか。彼の強さを知ったと同時にニプロッドは、彼の純粋さと言うか、言葉に出来ない何かを感じていた。
「大丈夫だ。どうにか食えるさ」
「分かりました。それではボス、今日はお疲れさまです」
「ああ、お疲れ」
ニプロッドは、残飯を一皿手にもつと、自室に帰って行った。ノガードは、まず残飯二皿を手に持つと、地下へと向かった。
地下に着くと、一番手前にある牢屋でノガードは立ち止まった。中を見ると、あの段ボールの中身が、見事に空っぽになっており、ルエイソレットが満足そうにお腹を摩っていた。だがノガードの存在に気付くと、その翼をどうして良いか分からず、迷子のようにあたふたしながら、結局は両翼を地面脇に置いて、反らした体の支えとした。
「ふっ、やっぱり食ったか。相当満足してたようだな」とノガードは、にやけながら言った。
「う、うるさい! 俺になんのようだ?」
「これさ」
ノガードは牢屋の扉をあけ、中に先ほどの二皿置いた。
「パーティーの残飯だ。かなり残っちまってな、俺一人で残りを全部食うにはかなりきつい。だから一部はお前に食って貰おうと思ってな」
「ふ、ふん、それなら捨てればいいだろ?」
「俺はそういうのは嫌いだからな」
「珍しい奴だ。ボスといったら豪放磊落で、細事に拘らないのが裏社会での定石だと思ったが」
「これが俺のやり方だ」
「そうか。どうやら酒も飲んでないようだし、ドラゴンにしては随分と変わった奴だな。俺の知ってるドラゴンは酒豪だと聞いたが。
だがまあ、パーティー自体は、その腹を見ると随分満喫したようだな」
「そうだな。とにかく、明日までにそれを食っておけよ。捨てたらあとでどうなるか、楽しみにしておきな」
脅し文句なのかどうか分からないような言葉を残して、ノガードは階段の方へと戻って行った。そして段差を踏む音が止むと、ルエイソレットは真っ先に、残飯へと向かった。
残りの残飯二皿を手に持ち、三階、ちょうどロビーの真上にある部屋へと戻った。ノガードは、浴槽のジャグジーで寛ぎながら、残飯の肉を豪快に食い千切った。そしてそれをむしゃむしゃと頬張り、美味そうに飲み下す。そして気付けば、彼のお腹は更に膨れ、初期の妊婦のようになっていた。
「一体あの薬の効果はいつまで続くんだ? まっ、たまには鱈腹飯を食うのも悪くはないな。今日ばかしは、たっぷりと食事を満喫しておくか。
……それにしても、どうしてあんなにも都合よく、あの老鼠は薬を用意出来たんだ? ゴムになる薬も、一番初めに出会った時から並べられていたものだ。つまり奴は、俺がここに来た当初から、まるで全ての筋書きを知っていたかのようだ。まさかSF小説のように、俺はあいつの駒の一部なのか?」
だがノガードは、そんな考えを首を横に振って振り払うと、完食した一皿目を脇にのけ、最後の一皿に手を付け始めた。