二回連続で投稿。出来たら三回目もしたいところだけど、それは気分次第ということで(爆
なんだか携帯からもこのブログ見れるんで、見てたら、あまり文が長いと見づらいということが判明しました。しかもコメントタグを付けると、そこが自分の携帯ではうまく処理されなくて、隠しておいた秘密設定みたいなものがもろに曝け出ていました(汗
なのでこのグレース・タウンからは、コメントタグは使わないようにして、あと文章は短めに区切るようにしてます。だからこうやって、時折話が浮かぶと連続投稿になるわけです。
だから三回も投稿したところで、実際はガバージュの一回分の話と長さが変わらないかも^^;
グレース・タウン Grace Town
ノガード Nogard
男 竜 筋肉質 俺
フロウ Flow
男 狼 痩せ→痩せ気味 俺
タール Tar
女 鼠 ふっくら 私
ドレイジル Drazil
男 蜥蜴 痩せ→痩せ気味 自分
ニプロッド Nihplod
女 海豚 痩せ→痩せ気味→ あたし
タブ Tab
男 蝙蝠 痩せ→痩せ気味 俺
イザーラ Izara
男の子 蜥蜴+鼠 ふっくら 僕
ルエイソレット Ruasoretp
男 翼竜 俺 筋肉質 → 超肥満
ノガードは、目を閉じていた。そのことが分かり、ゆっくりと彼は目を開けた。そして彼は、再び意識を取り戻したことを知った。
彼は、あの十字架に寄りかかっていた。しかし手足の枷は解かれ、それらは床にばらばらになって落ちていた。そして更に向かいの机には、あのルエイソレットが、大股を開いて、だらしなくもスーツから腹を出してへたりこんでいた。
「……ふぅ、どうやら助かったようだな」
辺りを見回すと、背中にある十字架以外、全ての置物が、壁際に押されていた。記憶は飛んでいたが、やはり実際に「あれ」が出来たんだなと、ノガードは悟った。
そのあれとは、体の膨張である。時折アニメなどで用いられる手法であるが、現実にそんなことをすれば、体が裂けてグロテスクな状態になってしまう。
しかしながら、ノガードは事前に、あの老鼠から貰った「体がゴムのようになる薬」を飲んでいた。つまりそれを飲んだことで、体内の爆弾が爆発しても、体は粉々にならず、そのアニメのように瞬間的に体が膨らむのだ。その膨張した体は、勿論概ねが空気であり、感触としてはソフトである。つまりそれによってルエイソレットは、押しつぶされることはなかったのだ。しかし枕を顔に当て続けられれば意識を失うのと同じように、今の彼もそのようにして机に凭れて失神しているのだ。
しかし同時に、閉鎖されたこの部屋では、ノガード自身も強烈に膨らむ行き場を失った体に圧迫され、意識を失ってしまったのだ。そして幸いにも、彼がルエイソレットよりも先に、目を覚ましたのである。
ノガードは、ゆっくりと腰を持ち上げると、ルエイソレットに歩みよった。そしてその脂肪だらけの重い体を、起き立ての筋肉でどうにか持ち上げ、ノガードは彼を部屋から運び出した。
丁度その時だった。部屋を出ると、向かいのエレベーターから護衛達が現れた。彼らはボスのルエイソレットを助けるべく、急いでエレベーターから出たが、先にいたボスと、それを抱えるノガードを見て、ぴたりと足を止めた。
「……残念だが、お前らのボスは、どうやらおしまいのようだぜ」
するとノガードは、ルエイソレットを床に下ろして、ゆっくりと護衛達に歩み寄った。
「な、何故だ? お前の体の中には、爆弾があるんだぞ!?」と護衛の一人がいった。
「そうか? なら、機械やらなんやらで調べて見たらどうだ? 生憎、俺の体内には既にそんなものはないぞ」
「う、嘘だ……実験したんだぞ、あの爆弾は排泄物からもでない。どこへも出ることはないんだ」
「じゃあ、これの説明はどうやってするんだ?」
ノガードは、床に下ろしたルエイソレットの右翼に握られていたボタンを手に取った。そしてそれを、躊躇なくぽちっと押した。それを見た護衛達が、慌てて後退した。
だが、変化はなかった。ノガードの身には、何一つ起きなかったのだ。
「さて、それじゃあどいつから、俺の餌食になってくれるんだ?」とノガードは、護衛達を一瞥した。しかし誰一人として、前に進み出るものはいなかった。
「物分りのいい奴だ」
そしてノガードは、再びルエイソレットを抱えあげると、少しは筋肉が解れて来たのか、難なく彼を、護衛達が脇にのいて作る道の中、エレベーターまで運び、そしてそのまま下へと降りて行った。
「ぼ、ボス!?」
本拠地に戻って来たノガードを見て、フロウが嬉しそうに駆け寄って来た。
「ボス、ご無事で何よりです——って、そいつは……!」
「ああ、ルエイソレットさ」
あとに駆け寄って来た彼の部下達は、その翼竜を見て驚いた。まさか、あのトップを倒してしまうなんて、と同時に、多くがその存在を見たことがなく、現実はこんなにでぶでぶとした奴なのかと思ったからだ。
「こいつを牢屋に運ぶ」
「えっ、ボス、こいつをやらないんですか?」
「ああ。別にいいだろ? 俺は無用な殺しは好きじゃないからな」
ノガードは、鍵を持っているタールから牢屋の鍵を受け取り、ルエイソレットをそのまま、地下の廊下へと運んで行った。
その後姿を見て、フロウは「やっぱり、実は優しいんだな」ともらした。
「ねえフロウ? 今日はボスを祝って、パーティーをしましょうよ」とニプロッドが言った。
「確かに。まだ実感は湧かないが、今、この時から、俺達のボスはこのグレース・タウンのトップになったんだからな。これは、盛大に祝わないと」
「そうだなタブ。それにしてもこんな気持ち、何年ぶりだろう——すんげえワクワクする」ドレイジルが、既に待ち遠しくなったのか、腰に当てた指をしきりに動かしていた。
「ああ。まさかこんな牢獄で、しかもあんな侘びしい状態からここまでなれるなんて……それもこれも、全部ボスのおかげだな。
よっしゃ、それなら早速、ボスのために準備をしようじゃないか! あらゆる所から食材を集めるぞ。蓄えも、今回は心置きなくだそうじゃないか!」
ノガードの部下達は、一斉に頷いた。やがて戻って来たボスにもそれを告げると、彼は珍しく新鮮な笑みを浮かべ、快くそれを承諾した。