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いつもと趣向が違う、というより少しR指定っぽい雰囲気が出ちゃってます。

妄想しながらストーリーをえがいていたのですが、まさかこんな風になるとは……

でもこういうのも、一度は書いてみたかったというのも若干あったりしたので、まあとりあえず今回は良しとしましょうか(何が

 

 

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[登場人物名] [種族]

フラム    男鮫

ドト     女兎

 

 

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  第2生活

 

 

 ここは、死に絶えた生きものが第2の人生を歩む形而上の世界。

 ここでは、前世とは違う自分の望んだ姿で生活することが出来る。

 そしてそれは、本人が創造を止めるまで延々と続くのだ。

 

 

「ここが、フラムさんの家ね」

 そう玄関の前に立つ一人の女の兎。全身は豊満でむちむちとしており、更に毛皮も相俟ってボリューミーな体の彼女は、肉厚な指で呼び鈴を押した。

 中から、籠ったピンポンの音が聞こえ、それからガチャガチャと、何やら機械らしきものが動く音がやって来た。そして目の前の扉がスッと、横にスライドした。

『ドチラサマ、デスカ?』

「あら、あなたがフラムさん?」

 出て来たのは、彼女と同じくらいの背丈の二足歩行型ロボットだった。

『イイエ。ワタシハ、マスターデアル、フラム様ノ、ヘルパーデス』

「ヘルパー……」

 この言葉ににやりとする兎。

「ねぇ、フラムさんに会いたいんだけど良いかしら? いくらこの世界が個人情報を展開しているにしても、ここまで来るのに苦労したんだもの」

『マスターニ、キイテミマス』

 扉が閉まり、機械音が遠ざかって行った。

 少しして、再びその音が近付くと、扉が開いた。

『ナカヘ、ドウゾ』

「ありがとう」

 兎は玄関に上がり、ロボットの案内のもと、奥の部屋へと入った。

 その瞬間、彼女は驚きに目を見開くのと同時に、まるで無邪気な子供のように満面の笑み浮かべた。

「あ、あなたがフラムさん?」

「はい、そうですが。もぐもぐ、あの、くちゃくちゃ、なんの用ですか——ごくん!」

 もごもごと喋っているのは、ベッドで横になっている男の鮫。だがその見た目は、鮫とはとても認識しがたかった。頬はパンパン、首は脂肪で顔と同化し、脇腹の下には肥大化した胸が垂れ、大きく肥えたお腹は、球形を維持出来ずに潰れて広がっていた。そしてそれに埋もれるように脚が、大の字で現れていた。

 大きさは鯨並みかそれ以上、しかし鯨とも似付かぬその姿は、単なる以上に太り過ぎた汗っかき生物であった。

「あの、私、ドトって言います。ご存じありませんか?」と兎。

「ドト……」

 食べ物を頬張り、それを甘ったるそうなジュースで飲み下すと、鮫ことフラムは思い出したように答えた。

「あっ、もしかして、げふぅ、太膨サイトを開いてた?」

「そうです! 実は私、昨年命を落としてしまって——」

 それから兎のドトは、これまでの経緯を語った。死んでこの世界にやって来た彼女は、自分で望んだ兎の姿となり、太膨好きで自身も太ることに興味があった彼女は、今のように自らを太らせたのだという。

 しかしその後、彼女は自身が太膨を鑑賞するのに向いていると分かり、過去の情報も含む閲覧可能な個人情報から、あらゆる太膨の知人を探し出して会っているのだという。そしてその内の一人が、目先にいる巨デブ鮫のフラムなのであった。

「——けれどフラムさん、物凄く太ってるんですね。今まで拝見したフィーディーの中でも、とりわけ一番ですよ」

「えっ、そう? なんかありがとう。気付いたら、うっぷ、こうなっただけなんだけどね」

 フラムはそう言うと、何やらロボットに指で指示を出した。それについてドトは彼に聞いた。

「今のはなんです?」

「バスタイムの合図。自分じゃ身動き一つ、取れないから。だからロボットに、体を洗って貰うんだ」

 するとドトは、目をキラキラとさせながら彼に尋ねた。

「あ、あの……その作業、私にやらせてくれませんか!」

「ええっ?」

 少し驚いた表情のフラム。こういう状況は初めてだったのだろう。だが彼はあまり深く考えず、その意見に承諾した。

「分かりました。じゃお風呂場までは、ロボットに任せるけど、それからはお願いします」

「はい!」

 

 

 ロボットの何倍、いや、何十倍もの巨躯を風呂場に運んで貰ったフラムは、ベッドと同サイズの浴槽に入れられた。お湯は入っていない。

「お湯、入ってないんですね」とドト。

「ふうー、最初は、体を、洗ってから。それから、ふぅ、お湯を入れるんだ」

 運ばれるという受動だけでも、その巨体ゆえ息が切れてしまう彼。もはやヘルパーが絶対必須、欠かせない存在となっていた。

「なるほど。じゃあまず私は、フラムさんの体を洗えばいいのね」

『ボディタオルト、ボディソープハ、ドトサンノヨコ、ニアリマス。デハ、ワタシハ、バスルームノソトデ、タイキシテマス』

 そう言い残しロボットは、ここを出て行った。

 ドトは、手にしたボディタオルにボディソープを付けて泡立たせると、フラムのお腹の上に乗っかった。脂肪いっぱいのそこは彼女の重みで大きく沈んだが、浴槽いっぱいに膨らむ彼の体を洗うには、こうするしかないのだ。

 彼女はまず、彼の頭を洗い(鮫なので髪は無い——故にシャンプーは要らないのだ)、髪を洗うのと同じ要領で、ここで一旦泡を水で流した。

「……ふぅ、はぁ……」

「大丈夫ですか?」

「は、はい」

 ドトは次に、彼の分厚い腕と肩をタオルで擦り、そして脇の下と胸も同様にした。脂肪の折り重なりによる溝が多数あるので、彼女はそこに確りと腕を入れ、手を抜かずに入念に洗ってあげた。

「う、うぅん……」

 喘ぐようなフラムの声に、ドトは一旦手を止めた。

「あの、大丈夫ですか?」

「え、えぇ」

 だがフラムの顔は、明らかに火照っていた。

「もしかして私、重過ぎます?」

「いや、あの、違うんです。そのぉ、いつもはロボットが、体を洗ってたので、こう、ドトさんのような、ふさふさな毛が当たる感触は、これが初めてだったので」

「あ、もしかして擽ったいんですか?」

「うーん……なんかそれとも違うような、そんな感じがして」

 それを聞いたドトは、何を思ったのか浴槽から出ると、自分の胸から下腹部にかけて、ボディソープを付け始めた。そしてその部分を両手でわしゃわしゃと摩り、たっぷりと泡を作り出した。

「あの、ドトさん。何をするんですか?」

 しかし彼女は、返事をする代わりに薄ら笑いを浮かべた。

 次の瞬間、彼女はなんと、お腹から彼の腹部に飛び込んだのだ。更に彼女は、自身の毛皮をボディタオルにして、彼の体を拭き始めたのだ。

「はぅ——な、何してるんです!?」

「だってこれ、気持ちいいんでしょ?」

 (=けん)とした表情でドトは、フラムを見つめた。

「な、だ、だめぇ」

 フラムの瞳孔が、おもむろに開き始めた。

「ほーら」とドトは、彼のおっきなお腹を満遍なく、自らの胴体で洗い続けた。彼女の毛皮が生み出す心地良さと脂肪による柔らかな感触。それが彼のお腹に万物を凌駕する刺激を与え、彼を別世界へといざない始めた。

「やめ、て……お、お願い……」

 移ろいゆく意識の中、顔中から色んな液体を垂らすフラムに対し、ドトは一切容赦しなかった。寧ろもっとお腹同士を密着させ、全身で踊るように彼のお腹を擦り続けた。

 やがて、一時の境界を越えた彼の神経に、強烈な一撃が迸った。

「あ”、あふぅ——あ、ぁあ!」

 

 

 こうしてフラムは、ドトの清拭に恍惚としながらも、バスタイムを優美に終えた。

 その後、彼の家には新たな住民が増えたという。

 おかげで彼は、以前にも増して急速に成長を続け、家はあらゆるもので埋め尽くされたという。

 

 

    完


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