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あまりにも太膨更新してなかったので、とりあえずUPしました。

 

 

しかし、あいだを空けるとやっぱいかんね、キャラの個性とか完全に忘れてる;

とりあえず途中まで書いてあったやつを確認しながら記憶を呼び起こして続きを執筆しました。


固有名詞

男 緑竜 ムープ  Moop

 

男 赤竜 ガンヴァ Ganva

 

男 東洋竜 リモウ Limou

 

女 黄竜 ミリース Millies

 

 

 

 


 

 

  ムープの暮らし 8 〜第三年目〜

 

 

 あれから、ムープは日増しに体を大きくしていった。自身への疑問はもう無い。だが決していつもと同じように暮らしてはいけなくなっているのは薄々自覚しているものの、それはこの島特有の雰囲気に呑まれ、やがて霧消していた。

「ううーっぷ、げふぅ!」

 豪快なおくびを放ち、ガンヴァが大笑いする。

「ブハハハハ! こりゃ凄いゲップだな。俺のダチでもそうは行かないぞ」

「へへ、そうですか? でもおかげで少しまたお腹が空いちゃった見たいです」

「じゃ、軽めのハンバーガーを追加だな」

 しかしその軽めも、外界の一般量とはかけ離れていたが、それをまんまとムープは完食したのだった。

 彼は、少し苦しそうに舌を出し、でも満腹による恍惚感に浸っていた。何年前のことだか彼はもう忘れていたが、過去の常々としていたアンニュイな気持ちは、彼の脳から綺麗に洗浄されたようである。

 

 

 その後ムープは、サイズアップ回数不明なオーバーオールをミチミチ言わせるほど腹を膨らせた体で、彼の大事な公共物である冷気を発するベンチを利用しながら、30分かけていつものショッピングモールに着いた。2年前と比べると3倍もの時間がかかっているが、遡り初期の頃では数分で行けた距離である。

 本人はもうそこまで考えてはいないが、彼の体重は700kg弱もあり、ウェストは3.5mにも達していた。もはやあの黒竜に対峙、いや、勝る体格であろう。

 さすがにそこまで行くと、例えこの島とてムープへの対応も変わる。彼がいつものクレープ屋に行くと、

「大丈夫、ムープ?」とのミリースの言葉があった。しかしそこには、この島ならではの思いがあった。

「平気平気」

 そう答えて15つ目のクレープを頬張るムープ。それにしゃかりきで、食べ終えたクレープの紙がぽとりと地面落下した。

 何かを落とすと自分では拾えない彼に代わり、その紙をミリースが拾った。

「もし良かったら、家のこととか私が手伝おうか?」

「えっ、でも大丈夫なの?」

 ムープもムープらしく、最近のようにあまり(=へりくだ)らない。

「実は私の兄が、介護が必要なほど大きくなってね。奥さんが出来るまでは私が付き添ってたのよ」

「へぇ〜、げふっ!」

「そういうことで、介護は手慣れてるわ。だからもし良ければ、私があなたの介護をしても良いんだけど」

 寝たきり肥満へのきな臭さが垣間見える発言。だがムープは、完全に郷に入っては郷に従っているため、ここの島民の思考回路に従い、彼は筋書き通りの返答をした。

 

 

「ふぅ、ふぅ……」

 砂浜と道路のあいだの歩道を歩くムープ。以前には無かった極度の疲労感が襲っていたが、今はそばにミリースがいるため、彼女の補助もありそれは和らいでいた。

「それにしても、本当に沢山食べたわね。まさかリモウの満漢全席を3つも食べちゃうなんて」

「えへへ、っふぅ、だってリモウさんの、げふっ、料理おいしいから」

 そう答えながら彼は、いつものベンチにどすんと腰掛けた。そして彼は、間食用にミリースに作って貰った大量のクレープを頬張った。

「んふぅ、むふぅ、ぐふぅ……」

「ムープったら、よく食べるのね」

「だって君のクレープ、美味しいんだもの——がふっ!」

 そう横顔で微笑むムープ。しかし横を向いたことで肩肉により頬肉が持ち上がり、顔の半分が隠れてしまった。

 そんな彼を見て、ミリースは思わず「ふふ、かわい」と空然と漏らした。彼女は少し、忘我しているようだった。

 

 

  続く


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