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作成日:2007/1/1

完成日:   ――

更新日:2007/1/6

 

 

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ストレッチアーム

マジックハンドの拡張版

 

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ある一体のロボットは、家に住む太り過ぎの患者を看護していた

患者は家から一歩も出られないほど太っており、ロボットは彼のために身の回りの世話はしていた

辺りからは、患者に対して中傷などが飛び駆っていたが、ロボットは気にも止めなかった

何故ならロボットは、患者のことを好きになっていたからだ

彼は動くことは出来ないが、彼の出来る範囲のことでロボットにお持て成しをしていた

ロボットのために冬、マフラーを編んで上げたり、一緒にゲームをして遊んだり

ロボットは、今にも肥え止まない患者のことを好きになっていた

だがある日ついに、患者は太り過ぎによる合併症が出てしまった

苦しむ患者を見てロボットはすぐさま救急隊を呼んだ

隊員が着いたあと、ロボットは外で待つことを余儀なくされた

ロボットは気が気で無かった。患者は大丈夫だろうかと

そんなとき、家の中から「ピー」という音が聞こえた

停止音だと悟ったロボットは号泣した。涙など流さないロボットが、涙を流したのだ。

隊員が家を出たとき、ロボットは隊員に向かって号泣した

だが隊員は言った。彼は死んではいないと

家の中に駆け込み、ロボットは患者のところへと向かった。患者はロボットの姿を見て微笑んだ

酸素マスクをし、ちょっと苦しそうな表情だったが、患者なりに努力した笑顔だった

患者は、嬉しさのあまりまた号泣したロボットを見て、自分をここまで愛してくれていたことに感銘した

 

その後、医者に進められた薬を使い、患者は肥満しても体に問題が出ないようになった

未だに肥え止まぬ患者だが、今でも何とか裁縫をすることが出来た

そしてまた、患者はロボットのためにあるものを繕っていた――セーターだ

完成品をプレゼント用の箱に詰め、それを目の前の棚に、ストレッチアームを使い置いた

それをもらい、ロボットは感動し、患者のウォーターベッドの様なお腹を登って彼の首があった部分を抱きしめた

患者も、ロボットを確りと、かつやさしく抱きしめた


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