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タイトルの雰囲気通り、今回はかなり肉塊ぶった内容になってます。そして職業ネタで「食品検査係」です。

序でに、スーパーショートストーリー(SSS?)なんかも今回は追加。


「最近、あいつ太り過ぎじゃねえか?」

「うん……まともに動けないって話だよ」

「まあこんな大きな工場で、別区画でたった一人の検査係も、寂しいものなのかも知れないな――んん、なんだこの空の段ボール箱は?」

「本当だ。誰かが盗んだのかも――誰か、ベルトコンベアを止めて!」

 そして二人は、原因究明のためこのラインを遡ることにした。彼らの役目である最終工程の運搬から最終検査、冷凍、衛生検査……しかしこの区画内では、どこも問題はなかった。

 次は、検査係が一人で切り盛りする区画だ。するとそこには――

「――! お、おい、お前……」

「むしゃむしゃ、はぐ、んぐ、げぷ……もぐもぐ、ふんぐ……ふぅ、ふぅ、ごはん、ごはんんぅ!」

「ねえ、一体どうしたの――ってええぇ!?」

 そこには、とうとう食品を目の前にして検査しか出来ない自分の欲求を抑えられず、暴走した検査係がいた。そしてベルトコンベアが止まったことにより、彼はその膨れた欲の体に阻まれ、食べ物を取れずにもがいていた。

 翌日、この検査係をクビにしようとこの会社は動いたが、食べ過ぎで、更には自力で身動きすら取れないほどの重さの彼を、従業員が総出になっても微動だにしなかった。しかも場所が場所だけに、ショベルカーやフォークリフトなどを入れるスペースもない。

 結果、彼の給料から食品を買い、彼に出荷用の商品を食べられないよう、常に食事を与える食わせ係がこの工場に配備された。

 ……しかしながら、日がな一日動くことのない検査係は、全てのエネルギーを脂肪へと変えてどんどん蓄積させ、あっという間にこの工場から出られないどころか、工場自体をその肉体で埋め尽くしてしまった。

 その時、幸いか不幸前の誘惑か、工場のベルトコンベアが丁度、彼の口へと食料を運ぶのに役だった。


なんか最初は、やんわりな感じだったのに、段々と自分の欲求が暴走してこんなんに至ってしまいました(滅


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